四万温泉にちょっと変わった宿泊施設を見つけた。
温泉地によくあるスタンダードな和風の旅館ではなく、ホテルっぽい感じのゲストハウスだ。
自然にかこまれた温泉地に都会っぽいオシャレなものができるなんて珍しいなと思い、宿泊してきた。
入り口からただようオシャレさに戸惑う

カンバンは丸っこくかわいいフォントで、洗練された都会っぽいオシャレさを感じる。
あと、なんというか全体的にものすごくブルーだ。キラキラしている。
あの日、はじめての秋葉原で見たラッセンと同じくらい青い。
そういえば、あれはイヤな出来事だった。
青いポストカードをもらい、お姉さんと赤面しながら話していたら絵を買わされそうになったのである。
「分割払いもできますよ」のひと言で「これはダマしだ」と気づいたが、断ってもなかなか開放してくれず、ポストカードのラッセンブルーが自身の顔にちょっとずつ転写していったのだった。
「都会と青さは怖い」、そんなことを学んだ出来事だった。
あれから10年以上経ったが、いまだに都会っぽさやキレイな色には警戒心を抱いてしまう。
なので都会っぽいカンバンとあざやかな青さの目立つ「ルルド」にもちょっとした怖さを感じてしまうのだ。
まったく怖くない明るい雰囲気の宿だった


ルルドに抱いていた怖さは杞憂だった。
お姉さんもいなかったし、ラッセンもヒロヤマガタもそこにはいなかった。
代わりにローマの休日が流れていて、オサレなカフェがヘップバーンと広がっていた。
僕の住んでいる場所にオシャレなカフェはないので、なかなか珍しい気持ちになる。

寝室は思っていた以上にキレイで広かった。
ゲストハウスと聞いていたので、林間学校のように2段ベッドが敷き詰められた部屋で寝るものだと思っていたが、個室な上、ベッドスペースもかなり広い。
隣の部屋との壁もしっかりとしてるし、天井も高い。これは快適だ。
でも、照明のほのかに輝く電球色といい、オシャレな雰囲気がつよくて、ちょっと気まずい感じもある。
気まずさを克服するためにインスタっぽい写真を撮ることにした
オシャレに抱く気まずさを克服するには、どうすればいいのか?
オシャレな心を持てばいいのだ。
具体的には、館内のオシャレな写真を撮って、インスタに上げればいいのである。
なんせインスタ=オシャレである。
インスタにオシャレな写真を上げれば、それだけで分かっている奴になれる。気後れすることはなくなる。
もし、いい感じの写真を上げたら、美人な女性がイイねしてくれるかもしれない。
オシャレになることができて、ええ感じの女性からも認められる。これは1石2鳥である。

寝室と同じ2階に自炊スペースがあるのだが、そこでバルミューダの家電を見つけた。
バルミューダというと、オシャレなことで有名な家電メーカーだ。しかも3つもある。魔のオシャレ地帯、バルミューダ・トライアングルだ。
これはオシャレポイントが高い。

ななめの本棚だ。傾斜があるので本を置くのはかなり大変そうだ。
ただ、この不便な感じは間違いなくオシャレである。
オシャレに不便はつきものなのだ。

本屋においてある本を見ていると、ヨガを見つけた。これはオシャレだ。
しかも夜と朝で2つのヨガがそろっている。オシャレポイントがストップ高だ。
ちなみに王様のブランチの情報ではあるが、ヨガでは木のポーズというきわめて哲学的でユニバーサルでリバーシブルな動きをするらしい。
オシャレを身につけるのは一筋縄ではいかないのだ。

そしてインスタに厳選した写真をアップロードした。
もう気まずさは克服できた。オシャレの心を持つことができたのである。
すそのよれたジーンズと襟がデロデロのシャツを着ていようが、気後することはないのだ。
なおインスタにあげた写真に女性からのいいねは全くつかなかった。
温泉と食事はぐんまの良さが出ている
「ルルド」の都会っぽさとオシャレさを楽しんでると、ちょっと疲れてきたので温泉に入ることにした。

「オシャレな宿だから温泉はおまけみたいなもんだろう」と思っていたが、それは大間違いだった。
もったりしていて身体が包み込まれていくようなお湯で、身体のコリがほぐれていく素晴らしい温泉だった。
リッチですばらしい泉質、さすが四万温泉。

そして食事。食事なしのプランのため、カフェで「上州牛A3プレミアムフィレカツサンド」を注文した。
わざわざA5ではなくA3の牛肉を使っている所にこだわりを感じたからだ。
店員さんに聞いたところ、「A5・A4で試したけど、肉の脂が重くて、A3に行きついた」とのことだった。
たしかにA5ランクの牛肉って、脂肪がかなり多い。
特に関東の牛肉はサシが重い印象がある。
サンドイッチで組み合わせると牛肉の主張が強くてサンドイッチとしてのバランスが崩れそうだ。
そしてカツサンドの味は、めちゃくちゃに美味い。
上州牛のカツのこってりさと旨味、酢漬けのキャベツの酸味とパンが調和している。
ひと口噛むとジュワァと旨味が口の中に広がっていくのだ。
ものすごくハイレベルなカツサンドだ。
お値段はちょっとするが、ここでしか食べられない1品と思う。
まとめ
スパゲストハウス ルルドは都会っぽいオシャレさもありつつ、群馬っぽさも兼ね備えたすばらしい宿だった。
オシャレな内装を楽しみつつ、本格的な温泉と食事も楽しめる。
1人で泊まることもできるので、また泊まりに行きたい。

・住所:群馬県吾妻郡中之条町大字四万4138-1
・駐車場あり
・男女混合シングルルーム 素泊まり:6,600円(平日)、8,800円(休日)

[…] 四万温泉のオシャレイズム。スパゲストハウス ルルドに泊まってきた。四万温泉にちょっと変わった宿泊施設を見つけた。 温泉地によくあるスタンダードな和風の旅館ではなく、ホテ […]