シャッターだらけの商店街を歩き、ずっと気になっていたとんかつ屋に向かう。
黄色いかんばんの横、意識しないと通り過ぎてしまうようなお店。
とんかつ大野屋だ。
ラーメン二郎にいくたび、人が入っていくのが見えて、おいしそうなお店と思っていた。
12時ピッタリに入店すると3つ並んでいるテーブルはすでに他のお客さんが使っていた。
キョロキョロしていると、キッチンから店主がパタパタと出てきた。どうやらひとりで切り盛りしている店のようだ。
昼のいそがしい時間に接客も調理もひとりでやっているようで、店主からはちょっとした迫力のようなものを感じる。
カウンター席へ座ると、シュワシュワ……とお風呂に入浴剤を入れたくらいの小さな音が聞こえ、ほのかに油の香りがただよってくる。その音と匂いに、お腹も反応し、はやくとんかつを食べたいという気持ちになる。
さてとんかつを頼もうとメニューを見ていると、なにやら魅力的な文字が。
「三県食べ比べロースかつランチ」
この大野屋では、群馬産・埼玉産・鹿児島さんのぶた肉でとんかつを作っている。
これら3つを食べられるのが、三県食べ比べロースかつランチだ。
「3つのとんかつなんて、めずらしいし、豪勢!」とテンションが上がり、三県食べ比べロースかつランチを頼むことに。
注文して20分くらいすると、うすい黄金色のパン粉をまとったとんかつが運ばれてきた。見ているだけで惚れ惚れとする色だ。これには期待がふくらむ。
まずは鹿児島産のとんかつ。
脂がのりにのっていて、キメの細かさが半端ない。
「え、なにこれ。めっちゃ、うまいんだけど」
まず、衣がおかしい。柔らかすぎる。食べた瞬間にカリっとするのではなく、フワッとする衣。はじめて食べた。しかも衣が肉に密着していて、剥がれ落ちない。絶妙な揚げ加減だ。揚げ物としてのレベルが高すぎる。
そして、豚肉。脂の旨味が多く、そして柔らかい。あたたかい地域で育ったからなのか。口でとろけるタイプの豚肉だ。
次に群馬産の豚肉。非常に透き通った色をしている。
「これも、うまい!!」
弾力性があって、ほどよくかみ応えのあるタイプだ。しかも風味がすごい。お肉をかんでいると、ナッツのような風味が口に広がっていく。鹿児島産の豚肉よりはさっぱりした感じで、食感と風味のすばらしいとんかつだ。
さいごに埼玉産。
「これも味がちがっておいしい……!!」
正直、埼玉産と群馬産の味のちがいは分からないだろうと予想していたが、あきらかに違いが分かる。
群馬産よりも柔らかめで、風味としてはリンゴというかフルーティーな感じがある。
脂と柔らかさと旨味のバランスが一番取れているタイプだ。
うーん、全てのとんかつがおいしすぎる。
1杯までおかわり無料ということもあり、ごはんを2杯食べてしまった。
こんなにおいしいとんかつ屋、これまで行かなかったのが悔やまれる。
めちゃくちゃに美味しいので、前橋に住んでいる人、前橋に用事がある人は是非とも行ってほしい。
ホームページ:とんかつ大野屋
住所:群馬県前橋市千代田町4-12-2(オリオン通り内)
営業時間:11:00-15:00 、18:00-23:00
定休日:木曜日
その他:商店街のため、専用駐車場なし。近くのパーキングに止める必要あり
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