35℃をこえる暑さが続く。あつくてあつくてたまらない。
なんなんでしょう、この夏は。僕を蒸発させようとでもしているのだろうか。
ジュースやアイスでひんやりしようとするも、全く効果がない。のどのあたりは冷える。でも、からだ全体に冷えがまわらないのだ。
仕方ないので、「あつい、あつい」と仕事中にブツブツ言っているのだけど、「サウナは好きなのに、暑さは苦手なのかい?」とちょっかいをかけてくる人がいるので、その言葉にまた腹が立ち、さらにあつくなってしまうという負のサイクルに陥っている。
この負のサイクルから抜け出すためには、氷を食べて全身クールダウンしてクールポコになるしかない、そう思いかき氷を食べに行くことにした。
行先は、僕の住む太田市に隣接する、熊谷の妻沼だ。
妻沼(めぬま)には夏が広がっていた
妻沼というと、おそらく周辺に住む人以外に知られていないが、妻沼聖天山(めぬましょうてんさん)―正式名称、歓喜院―というお寺の本殿が国宝になっている。
普段はあまり人も歩いていないけど、お正月に行くと参拝客でごった返しているので、地元では昔から大切にされているお寺なんだと思う。
せっかく妻沼まで来たので、かき氷までのウォーミングアップもかねて、聖天山を散歩してみることにした。
風になびく「氷」の暖簾、お店の前にならべられたママチャリの群れ、それを店の中から見守るおばあさん。
小学生の夏休み、ほこりのまう駄菓子屋に友達と毎日のように行っていたことを思い出した。あのお店もおばあさんが店番してたな……
とてもくぐれそうにもない、小さなクモの巣もあった。
そもそもくぐれるくらい大きなくもの巣って日本に存在するのだろうか。見たことない。ただ、大きいものはそれだけでワクワクさせてくれるので日本のどこかにはあって欲しい。
まあ日本のどこかにあるのでしょう、たぶん。
門には乳首が陥没している仁王がいた。阿吽(あうん)の吽(うん)の方だ。
うんと首をたてにふりそうもない表情と仕草なのに吽(うん)と名付けられているのがちょっと納得いかない。ううんとか、無とかに改名してほしい。
それにしてもこの表情、経費精算が遅れた時に僕を怒ってくる弊社の経理担当者のようで、見ていると申し訳ない気持ちになってくる。次月から、ちゃんとやります、許してください。
これが本堂、厳かな雰囲気がある。
建築物にくわしくないので、どこが見るポイントか分からないのだけど、お寺の雰囲気はいい。心がちょっとだけ引き締まる。
とくべつにお寺が好きという分けではないし、どこがよくて、自分の心がなにに反応しているのか分からない。
でも、かくじつに心は反応している。
おそらく小さい頃から寺や神社に行くことが多かったから、心の奥に沈殿している思い出のカケラが反応して、なんともいえない感情が発生しているんだろうなあ。
西田園とさわたで「雪くま」を食べる!
ちょっとの時間、聖天山をあるいただけなのに汗でシャツが濡れまくってしまった。
Tシャツからはアメリカザリガニのような臭いが立ちのぼっていて、すっかり僕は歩く公害となってしまった。
このままでは入店拒否される可能性が高いと思ったので、車でTシャツを着替えて、かき氷屋にむかった。
お茶屋の抹茶かき氷、西田園。
まずは、聖天山から徒歩3分くらいの位置にある、茶の西田園。
お茶のお店ということで、抹茶系のかき氷を注文した。
氷は、柔らかさの中にちょっとだけシャリシャリ感があって、上品な口ざわりだ。
味は、甘さの暴力になると思いきや、抹茶の香りと甘さが奥深く、森の中にぽつんと佇む茶室でかき氷を食べてるような気持ちになる。わび、さび、かき氷。日本の夏を味わえるかき氷だ。
とてもおいしく、量も多いので食べ終わる頃にはすっかり汗も引いてしまった。
大福茶屋さわた、これがうわさのちーずの雪くま
続いて、西田園の向かいにあった「大福茶屋さわた」へ。
妻沼にあるチーズ大福という和洋菓子で有名な「さわた」系列の飲食店。
ランチもやってるけどあんみつなどの甘味が有名だ。
「これがうわさのちーずの雪くま」を注文。
さわたで売れ筋の「これがうわさのチーズ大福」がトッピングされたかき氷だ。
それにしてもチーズ大福の名前が長い。店員さんもチーズ大福って省略していたし、「これがうわさの」っていらないんじゃないか。
名前はともかくとして、このかき氷は洋風でおいしい。
いちごの酸味、ミルクの甘さ、さらにチーズ大福のこってりさがあって、いちごのショートケーキくらいのパンチ力がある。このカロリー過多な感じ、かなり好みだ。
かき氷2杯目ではあったけど、おいしすぎて、一気に食べてしまった。
まとめ
熊谷が町おこしの一貫として、数年前からかき氷を推しているのは知っていたので、ようやく食べることができてうれしかった。
雪くまの定義は、熊谷のおいしい水を使った氷をふわふらに削って、お店独自のシロップをかけたものらしい。
「雪くま」は、熊谷のおいしい水から作った貫目氷を雪のようにふわふわに削り、各店のオリジナルのシロップを使用した熊谷のご当地かき氷です。真夏の暑さとおいしい水で有名な熊谷で、暑さを元気に乗り切れるよう、かき氷をブランド化しました。市内外を問わず多くの人に親しんでいただき、暑い熊谷をさらに盛り上げたいという願いも込めています。
熊谷の水がおいしいのかもわからないし、削り方よりも説明の仕方がふわふわとしているので、ちょっと「雪くま」についてイメージしにくいところはある。
ただ、いろんなお店で色んなメニューのかき氷が食べられるのは、暑がりで甘いものが好きな僕にとってはうれしいことだ。
雪くまを出している店舗は、30店舗くらいあるので、色々食べ比べをしてみたい。