娘の雪への興味が強まっている。
冬は雪の季節と認識するようになってから、雪遊びしたいと毎日言うようになった。
最初はそのうち行こうという説得に応じてくれていた。
しかし、雪遊びをしたいと発言するようになってから10日後。
娘の雪への情熱は抑えきれないものとなってしまった。
風呂から上がるタイミングで、「雪山に行ってくる!!」と玄関まで走り、靴を履き、外へ出ようとするようになったのだ。
もちろん服は着ていない。全裸だ。
そして服を着ていない娘の外出を阻止するために、僕もすかさず娘を追いかけないといけない。もちろん全裸だ。
というか、なぜ一番寒い風呂上りなのだろうか。寒いからやめようよ。ねえ。
住宅事情に詳しくない皆様はご存じないだろうが、冬の玄関は全裸で耐えられるように設計されていない。
あくまでジャンパーなりを着て、その場所にいれるような温度設定になっているのである。
これは太古の昔、人類が竪穴式住居に住んでいた頃からの伝統だ。
そんな冷蔵庫のような玄関に風呂上がりの毛も乾かぬうちに行くとどうなるか。
鳥肌がすさまじいことになるのだ。まじで寒い。ああ寒い。寒いという形容詞は、玄関全裸のために生まれたんじゃないかと思うほど、寒い。
僕としてはこの玄関全裸のイベントが起きないようにしたい。めちゃくちゃ寒いからだ。
そのためには彼女の雪への好奇心を満たす必要がある。
ということで、1月1日という新年の初めに、娘の雪への興味を落ち着かせるべく赤城山第一スキー場に行くことにした。
赤城山第一スキー場とは
前橋の中心地から約30Km。赤城山の標高1350メートルに位置するリフトもゴンドラもないスキー場です。
客はほぼ家族連れで、スキーをする人もスノボをする人もいないので、安心して子どもを遊ばせることができます。
住所:群馬県前橋市富士見町赤城山大洞
問い合わせ先: 大沼山荘 電話:027-287-8311
スノーエスカレーター運行日:土日祝日の午前9時~午後4時
標高1350m 赤城山第一スキー場に到着

前橋市内から山道を1時間ほど走らせると、赤城山スキー場に到着した。
スキー場の駐車場に到着した時点で、車の温度計は-7℃。
この寒さの中着替えるのはつらいので、家でウェアに着替えてきて正解だ。
標高1350mってスカイツリー2個分の高さだし、草津温泉の標高よりも100mほど高い。
スキー場で有名なたんばらスキー場の標高が1250mと考えると、かなり山を登ったことを実感する。
また、駐車場の目の前がゲレンデなので移動が楽だ。
たんばらスキー場や湯沢中里スキー場といった人気ゲレンデは、駐車場から歩くことも多い。
車を止める位置によっては10分以上、歩くこともある。
その点、赤城山第一スキー場は駐車場から歩いて2分でゲレンデだ。体力を消耗しないので、すごくうれしい。
ゲレンデで楽しくソリ遊び

ゲレンデには一面の銀色景色が・・・、残念ながら広がっていなかった。
まだ1月の最初なので、雪不足のようだ。草が隠れ切っていない。草原にすこしだけ雪がかかっている状態だ。
スキー場に滑りに来た場合、がっかりするが、今日は目的が違う。雪遊びとソリ遊びだ。少しでも雪があれば十分だ。
娘もニコニコしながら「雪だ!雪だ!雪山に来た!!」と雪を手ですくいながら、叫び喜んでいる。
ここまで喜んでもらえると親としてもうれしくなる。

ソリを持ってきていなかったので、500円でレンタルすることにした。
レンタルの受付では、日で焼けた年季の入ったノートに70歳近くであろうおばあちゃんが名前や電話番号の予約情報を書いていた。
赤城山は高度経済成長期とともに東武グループにより観光開発が進められてきた。
東武グループが狙った大型の観光地としては成功しなかったが、日帰り客や群馬の人には愛され続ける観光地となった。
おそらくおばあちゃんも赤城山の発展とともに歩んできた人なんだと思う。
腰をかがめながらノートに目を近づけて予約情報を書き込んでいる姿を見ていると、なぜだかそんな気がした。

無事に2人乗りのソリを借りることができたので娘と楽しむことにした。
ソリに乗ってみると意外とスピードが出てるように感じる。スキーやスノボで斜度20度くらいのところを滑っているような感覚だ。
娘も「=@::~!!」と声にならない奇声を上げている。
このスピード感を楽しんでいるようだ。あまりのスピードの速さに、ニコニコしながらグローブで目を覆ったりもしていた。
ちなみに後で滑っている動画を見なおしたら、ソリのスピードはめちゃくちゃ遅かった。人が歩くスピードと同じくらい遅かった。
初めて乗るソリはブレーキのかけ方が分からない。
スキーやスノボを始めた時と同じように恐怖心からスピードを錯覚してしまったパターンだ。
変える前に休憩所でひと休み
1時間ほどソリで遊んだところで、娘の唇が紫色になってきた。
本人はまだまだ遊び足りないようであるが、カラータイマーが点滅している。手も冷たい。
休憩所で身体を暖めてから撤収しよう。
休憩所は4家族くらい休めそうだった。ソファーやテーブルもある。
ちょうどファンヒーターの前が空いていた。
15分ほど暖を取らせてもらうと、娘の唇の色もうすいピンクに戻り、手を握っても冷たさを感じなくなった。
まとめ
赤城山第一スキー場は、子どもがのびのびと遊べる素晴らしいスキー場だった。
ゲレンデというより雪の公園に近い気もする。
周りをあまり気にせずに遊べるのは大手のスキー場にはない魅力だと思う。
大手のスキー場のキッズパークは混雑しすぎている時があって、子どもが窮屈に感じている時もある。
スキーやスノボをやっている人も少ないので、親としても大手のスキー場よりも気を張らなくて済む。
元旦にも関わらず、家族連れも多かった。赤城山から帰る途中も、スキー場へ向かう車は多かった。
昔から地元の人たちに愛されてきた場所なんだと思う。
スキー場にとっては非常に厳しい時代だけど、地元民の思いの詰まった場所は長く続いて欲しい。
ちなみに娘は風呂上りに全裸で玄関に向かうことはなくなった。
代わりに出かける時に、「次はいつ雪山に行くの?」と聞くようになった。よっぽど楽しかったようだ。
また近いうちに赤城山第一スキー場に遊びに行き、思い出をいっぱい作ってあげたいと思う。
